贈与税 ~海外に住んでいる息子に贈与した場合はどうなるの?|大阪の税理士【みそら税理士法人】

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税務/会計
2019年5月18日

贈与税 ~海外に住んでいる息子に贈与した場合はどうなるの?


みそら税理士法人の岡村でございます。

 

日本企業の生産拠点が東南アジア地域を中心とする海外に移転するにつれ、国外で勤務される人が増えていると思います。

また、同時に国際結婚も今まで以上に身近なものとなりつつあります。

 

このような中、次のような贈与のご相談です。

 

 

シンガポールの息子、オーストラリアの孫へ贈与した場合

贈与を考えているお母さんからのご相談です。

メーカー勤務の息子さんがでシンガポールで働いているとのこと。

そして、娘さんはオーストラリア人と国際結婚してオーストラリアのシドニーで暮らしているとのことです。

 

・シンガポールに住んでいる息子に贈与したいのだけど?

・オーストラリアで暮らしている娘の子供、つまり私の孫に贈与したいのけど?

なお、お孫さんは日本国籍ではなくオーストラリア国籍で、生まれてからずっとオーストラリアに住んでいるとのことです。

 

 

シンガポールの息子さんには

①母が所有する姫路市の先祖代々の土地

②母がシンガポールの銀行に預けている預金

を贈与するそうです。

 

オーストラリアのお孫さんには

③姫路市の自宅にタンス預金している現金

④母がオーストラリアのシドニーに購入したリゾートマンション

を贈与するそうです。

 

この場合、日本の贈与税はどうなるのでしょうか?

①~④の、どの贈与の場合も、日本の贈与税の課税の対象です。

 

財産を贈与した人(贈与者)が、日本に住む日本人であれば、

財産を贈与で貰った人(受贈者)が、日本に居住していなくとも、

贈与で貰った財産は、日本の贈与税の課税の対象です。

その財産が日本にあるもの、海外にあるものの区分も関係ありません。

すべて贈与税の課税の対象です。

 

シンガポールの息子さんに贈与したシンガポールの銀行預金や

オーストラリアのお孫さんに贈与したオーストラリアのリゾートマンションも

日本の贈与税の課税の対象です。

 

 

4種類の贈与税の納税義務者

贈与税を規定する相続税法には、贈与税の納税義務者を次の4つに区分しております。

(相続税法第1条の4)

①居住無制限納税義務者

②非居住無制限納税義務者

③居住制限納税義務者

④非居住制限納税義務者

 

 

①②は、贈与により取得した財産すべてが贈与税の課税の対象です

③④は、贈与により取得した財産で、日本国内にあるものに限り、贈与税の課税の対象です。

(相続税法第2条の2)(相続税法第21条の2)

 

ご相談の場合の、シンガポールの息子さんとオーストラリアのお孫さんは

②の「非居住無制限納税義務者」に該当します。

日本国内には「非居住」ですが、

贈与者であるお母さんが日本に住む日本人のため、

贈与により取得した財産は「無制限」に贈与税の課税の対象となります。

 

 

贈与税、どこの税務署に申告するの?

贈与税は財産を貰った人(受贈者)が支払う税金です。

支払い先は、財産を貰った人(受贈者)が居住する住所地を管轄する税務署です。

 

シンガポール在住の息子さん、

オーストラリアで暮らすお孫さん、

日本の贈与税をどこの税務署に申告するのでしょうか?

 

納税管理人届出書

シンガポール在住の息子さんとオーストラリアで暮らすお孫さんは、

自分たちの代わりに日本の贈与税の申告と納税をしてもらう

「納税管理人」を定めなくてはなりません。

(相続税法第62条)

 

「納税管理人」は、原則として自由に選べますが、

贈与者であるお母さんを「納税管理人」とする場合が一般的です。

 

兵庫県姫路市のお母さんを「納税管理人」とした場合、

シンガポール在住の息子さんとオーストラリアで暮らすお孫さんの

贈与税の申告と税金の支払いは

兵庫県姫路市を管轄する姫路税務署となります。

 

 

暮らしの国際化に伴い、税務の国際化も著しい時代です。

上記のご相談のような、国境を越えた贈与も珍しくない時代になって参りました。

 

 

 

 

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